<< ゴシック式(ゴーティク式)甲冑 - 2 | main | ゴシック式(ゴーティク式)甲冑-4 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | -
ゴシック式(ゴーティク式)甲冑-3
今回は、前回記述したように【鉄靴の足の裏側】を線画で空想・分解してみたいと思います。今回練習しているゴシック式甲冑の鉄靴の裏側は、挿し絵でも、写真でも見たことがありませんので、手持ちの資料から空想してみます。

まずは、今回の空想の元となっている根拠を簡単にお話ししてみようと思います。手持ちの資料(ポーズ&アクション集)のゴシック式甲冑の鉄靴を観察すると、鉄靴のつま先の鈑金(板金)部品の形状が、他の部品のように接地面でストンと終わっておらず、足の裏側までクルリと巻き込んでいるように見えるんです。
分解1-3.1簡単に描いてみると、このような感じでしょうか…ちょっと大袈裟に描きましたが、つま先部分の接地面付近の魅力的な表情から、やはり鈑金の縁が接地面で単純に切れておらず、つま足の裏側に向かって、どの程度かは分かりませんが、巻き込んでいるのだと思うんです。そういった考え方を元に、鉄靴の裏側を空想しながら線画を作ってみることにします。


分解1-3.2まず、基本として鈑金が足の裏側に巻き込んでいないものを用意してみました。鉄靴の裏側は空っぽなので、足に装着するためにはベルトなどが必要となりますね。そこで、図中の赤い線なんですが、ベルトなどを設置していた(設置すべき)であろう場所として描き込んでみました。この部分にベルトなどを用意していなければ、鉄靴は装着することができないということになりますが、図中のくるぶし付近の赤い線の場所には、【拍車】を装着する際に足の裏側にもベルトが通るので、鉄靴そのものにベルトを設置しない場合もあったようなので、今回は鉄靴にはベルトが用意されないものと考えることにしました。

なので今回は、つま先側の赤い線部分の固定方法を、足の裏側に巻き込む鈑金の処理と合わせて何通りか空想してみたいと思います。楽しい作業です!(悩むけれど。)


分解1-3.3まずは、こんな感じに空想してみました。先端付近の鈑金を足裏側に巻き込んでつま先先端だけを袋状にして、残りの部分はごく少量を巻き込みながら、つま先鈑金の後端部分は少し内側にのばして、ベルトを渡してみました。つま先の鈑金を巻き込むのは、その形状の流行だったのか分かりませんが、部品の強度を増すことが目的だったのかな?とも思います。


分解1-3.4次は、鉄靴の裏側を写真資料で観察することができる【マクシミリアン式甲冑】を参考にして考えてみました。鈑金の縁は、ある程度の一定の幅で足裏側に巻き込んでいて、その幅のある部分に穴を並べて用意し、硬めの革を鋲や丈夫な糸で装着した。という設定です。何しろ次の世代の甲冑で採用されている構造を真似たものなので、なんだか説得力があります。ただし、マクシミリアン式甲冑では、鈑金の縁はこのようにゆるやかに巻き込んではいません。完全に折り返してあるようです。また注意しなければならないのは、例えばこの方法は、【次の世代の甲冑でようやく実現した】のであって、こういった工作はまだ技術的に無理だったという可能性もありますよね。でも私としては、この方式がいろいろな面で安定しているような気がします。


分解1-3.5最後に、こんな感じでも面白いのに…と思った空想です。つま先部分の裏側は、巻き込んだ鈑金で完全にカバーされている!という設定。変型した円すいといった感じでしょうか…ある資料のイラストに騎乗した重装甲兵の絵があったんですが、なんとなく見える足の裏部分の表現が、踵のほうは茶系で塗りつぶしてあるんですが、つま先部分は灰色っぽい色で塗りつぶしてあるのを発見したんです。これは、もしや!?大変なヒントなのでは!と。でも実際はイラストレーターの方が、分からないからなんとなく塗っただけかもしれないんですが…これもまた空想の源ということで、こんなことを考えてみました。

この方法はかなり面白いと思うんですが、ちょっと強引でしょうか…


甲冑の絵を描く際に、足の裏を描くことはほとんどないとは思うんですが、もし、描く場合には、やはりつま先付近と、くるぶし付近にベルトのようなディテールを簡単に描き足したり、つま先部分は革底をつけてみたりするとよい感じになると思います。

また、別の方法として鎧下着の足の甲部分に丈夫な装着ヒモ(ポイント)が設置されていて、足の甲部分の鈑金に装着用の穴が用意されていた場合もあったようです。この場合には、つま先部分の足の裏にはベルトを描く必要はないですよね。その代わりに、足の甲部分に結わえたヒモを描けばよいということになります。他には、イタリア式(ミラノ式)甲冑の足防具は鈑金部品ではなく、しなやかなメイル(鎖)部品で足の甲部分をカバーするものもあるようです。下馬しての戦闘では、このメイルの防具のほうが断然動きやすかったと思われるので、例えばゴシック式甲冑についても、戦略によっては最初から鉄靴を装着しなかったこともあるのかな?などと妄想しながら…


それでは、今回はこのくらいで。

次回は、鉄靴を描いてみようと思います。
今回、最初に下描きを載せてしまっていますが、こちらのブログに初期の頃からお立ち寄りくださっている方は、下描きに線を引いたのか!?と驚いている方もいらっしゃると思います。そうなんです、今回は、まずは線で描いてみることにしました。

効率良く描きたいと思って試みていますが、さてどうなりますことやら…


>>> '08/01/13 記事の続きに返信をつくらせていただきました。
>Lokiさん こんにちは。

リンクのご連絡ありがとうございます!
鎧が作れそう…というコメントをいただけて、とてもうれしいです。

自分の空想や、希望、好みだけでも、とにかくかたちを作れるのが、絵のいいところですよね。細かい部分や、本物はこうじゃない!とか、そういった堅苦しいことは気にせず、面白い、カッコイイと思うかたちで思いきり描いてみると、根気がつづくかもしれませんよ。

ではこれからもよろしくお願いします!
| ゴシック(ゴーティク)式甲冑 | comments(1) | trackbacks(0)
スポンサーサイト
| - | - | -
お久しぶりですKojiさん。ここには何度来ても驚かされますね。ここを見れば鉄板で鎧が作れそうなほど細かく描いてあって・・・俺も描いてみようとは思うんですけど、どうも根気がなくて。これだから成績低いんですよね・・。ブログはもうリンクさせていただきました。これからもちょくちょくコメントさせていただきます。どうぞよろしく。
| Loki | 2008/01/31 9:43 PM |
コメントする









http://painterfan.jugem.jp/trackback/88
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>
カテゴリ毎に記事を表示します
最近アップした記事です
お世話になっている資料です
Techniques of Medieval Armour Reproduction: The 14th Century (Medieval & Renaissance)
Techniques of Medieval Armour Reproduction: The 14th Century (Medieval & Renaissance) (JUGEMレビュー »)
Brian R. Price
ついに手に入れることができました!大きくて、厚みがあり、存在感のある本です。書いてあることはさっぱり分かりませんが、それはいつものこと。(現代における)甲冑の作り方の本というだけあって、興味深い【図解】が多くて、絵描き鍛冶としては非常に助かります!他の甲冑の本とは角度が違うので、構造に想いをはせる方はぜひ!
お世話になっている資料です
Medieval Military Costume (Europa Militaria Special, 8)
Medieval Military Costume (Europa Militaria Special, 8) (JUGEMレビュー »)
Gerry Embleton
15世紀頃までの騎士や他の戦闘装備と、女性たちの仕事着なども自然の中で撮影した雰囲気のたっぷりの写真で紹介されています。個人的には、コートオブプレートのカラーイラストと、ランツクネヒトが写真で見られたことが特にうれしい!
お世話になっている資料です
 (JUGEMレビュー »)

ヴァイキングの戦士たちは本当に魅力的です。戦士の写真以外にも、炊き出しをする女性たちや、特に装備品をこさえる職人の写真などは、あり得ないわけなんですが、当時の写真なんじゃないの?と言いたくなるほどの雰囲気の良さです。
お世話になっている資料です
 (JUGEMレビュー »)

表紙の写真だけでも手に取って見たいと感じました。とにかく、特に金属の装備品が周囲の環境によってどんな表情になるのかを写真で観察できることが素晴らしいと感じます。
お世話になっている資料です
図説 西洋甲冑武器事典
図説 西洋甲冑武器事典 (JUGEMレビュー »)
三浦 権利
●本物の西洋甲冑師【三浦權利】氏の膨大な知識の一部を1册の本に。●甲冑の発達の歴史から詳細な分解写真まで、まさに【辞典】と呼ぶに相応しいずっしりとぶ厚い本です。●甲冑の分解写真は、三浦氏製作のマクシミリアン式甲冑。裏側の写真まで掲載されていますが、下で紹介している【ポーズ&アクション集】では、その甲冑が様々なポーズを取っているので、組み合わせて参照すれば最強です。

お世話になっている資料です
西洋甲冑ポーズ&アクション集 European Armour in Various Scene
西洋甲冑ポーズ&アクション集 European Armour in Various Scene (JUGEMレビュー »)
三浦 権利
●同じく本物の西洋甲冑師【三浦權利】氏が、読者からの要望を受けて製作された本です。こちらの本では、甲冑を実際にモデルが装着して、様々なポーズをとって写真を撮ってしまったんです!●モデルがパーツごとに甲冑を装着していく写真は涙が出るほどうれしい!さらに、後ろ姿もじっくり観察できるので本当に素晴らしい。●この本と、【西洋甲冑武器辞典】を一緒に開いて勉強するのが私のお気に入りです。
お世話になっている資料です
LINKS
月毎の記事分類です
みなさまからのコメント
PROFILE