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ゴシック式(ゴーティク式)甲冑-5
鉄靴を(絵で)分解してみました。
素晴らしい研究者の方々の色々な資料による情報に、私の空想・希望によって解釈を加味したものです。

まずは、むかって右側の鉄靴の絵について。
内部を透かしたようなイメージで描いてみました。こんな感じで革のベルトが設置してあるんだろうなぁーという絵です。革は鋲で固定してあるのだと思いますが、鈑金が重なる部分に鋲が打ってあるため、完成後は鈑金が重なって鋲が見えなくなるという仕掛けですね。この革ベルトには、旋回可動軸で自由に動く鈑金部品が重なり過ぎてしまったり、逆に開きすぎてしまったりすることを防止するために設置されているのかなと思います。
絵に描くことはまず無いと思いますが…

分解1-5

次に、鉄靴の側面に見える鋲について考えてみました。西洋甲冑武器辞典などに掲載されている甲冑の裏側からの写真を観察すると、鋲の甲冑内側には、今で言う金属ワッシャーのような、円盤状の部品が見られます。つまり鋲は、2枚の鈑金を通り、甲冑内側にてさらに円盤状の部品を通った状態で設置されていることが分かります。今回は、大好きなプラモデルの組立図のイメージで、鋲と円盤状の部品の設置イメージを描いてみました。

プラモデルの組立図を知らない方にはちょっと見づらいかもしれませんが、鋲からオレンジの線が伸びて、円盤状部品に向かって矢印になっています。1枚目の鈑金、2枚目の鈑金を通って、円盤状部品に届きます。

さて、ここで空想を楽しみましょう!【鋲】って、どんな部品で、どうやって固定されているんでしょうか…?今回私は、3通りの鋲を空想してみました。

【1】キノコのような頭と軸を持つ1つの部品。
キノコのような頭から伸びる棒状の軸を2枚の鈑金と円盤状の部品を通して、内側で軸の端を打ちつぶして取り付けた。軸を打ちつぶす際には、例えば金属板の縁を軸の太さに合わせてUの字に切り抜いた作業用の金属板を挟み込んで作業して適度な「遊び」を作ることで、鋲を旋回軸として機能させた。

【2】キノコの頭を持つ軸と、釘の頭のように、平坦に潰された頭を持つ軸の2つの部品で1組の部品。
いずれか片方、例えばキノコの頭を持つ軸は全体が筒状か、軸の端だけが筒状になっていて(凹部品)、それを鈑金と円盤状部品に通した状態で、細く短い軸を持つ釘頭部品(凸部品)を、キノコ部品の軸に打ち込むことで固定した。この場合、軸の長さで「遊び」を調整したのかもしれない。
キノコの頭の方が細く短い軸の部品だった場合も。

【3】キノコ頭・軸・釘頭の3つの部品で1組の部品。
軸はマカロニ状の中空部品となっていて、それを鈑金と円盤状部品に通し、甲冑外側からは短い軸を持つキノコ頭部品(凸部品)を、内側から同じく短い軸を持つ釘頭部品(凸部品)をそれぞれ打ち込んで固定した。

いかがでしょうか?こんなことを必死で考えて悩んでいると相変わらず楽しくて仕方がないわけであります。【1】【2】【3】の空想のうち、私が「こうだったらいいな」と思うのは、【1】なんですが、では実際はどのように鋲が打たれていたのかは、分かりません…。でも鋲は甲冑のディテールを引き締めるとても重要な要素だと思います。空想の甲冑を描く際には、あまり設置場所は数にこだわらず、思いっきり鋲を描き込んでみるのも楽しいと思います。


それでは、今回はこのくらいで。

次回は、鉄靴を下から眺めたイメージを描いてみます。


>>> '08/02/21 記事の続きに返信をつくらせていただきました。
>コンラッドさん ありがとうございます!

うーん。ワッシャーに「ネジ」とはまた興奮しますね!職人がひとつづつネジ山を切る姿を空想すると、グッとくるものがあります!面白いなぁ…

どの資料だったか…甲冑の調整について面白い記述があったのを思い出しました。
それは戦地を転々とする甲冑屋の記述でしたが、彼等はいわゆる【パーツ屋】であり、甲冑一式ではなくて部分、部分を商品として取り引きしていたとのことで、鍛冶師としての技術を修得している彼等は、販売する部分甲冑を客に合わせてその場で調整したのだそうです。なんでも【すね防具】の【くるぶし】部分の調整が最も難しかったとのこと。くるぶしが痛いと辛抱ならなかったそうなんですが…なんとなく想像できますね。

そういった甲冑屋からパーツを購入する、あまり余裕のない兵たちは鉄靴はつけなかったかな?と思いますが、ワッシャーネジ方式の鉄靴を前提として空想すると、裕福な騎士の中には、「鉄靴のネジ、カッチカチに締めといてちょ。オイラ今日はもう馬から降りね。」なんていう人もいたかもしれませんね!鉄靴のつまさきみょ〜ん(シュナーベルというらしいです)で飾りつけていた人は歩く気が無かったように感じるから、鉄靴カッチカチだったのかも…?
| ゴシック(ゴーティク)式甲冑 | comments(1) | trackbacks(0)
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リンクありがとうござます。

自分も【1】かな?基本量産品では無いので、個人の体格に合わせる為にかなり融通を利かせた造りにしておいて、試着して調整する…とかやってたんじゃないでしょうか?

他には、ワッシャーの部分にネジが切ってあって、鋲を通した後、ワッシャーで二枚の鈑金を固定する。ワッシャーのネジで遊びを調節…とか考えたんですが…。
| コンラッド | 2008/02/19 10:15 PM |
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