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ゴシック式(ゴティク式)甲冑-8
みなさま、お久しぶりでございます。

今回からは、脚防具を線画で分解して楽しもうと思います。
線画を作成する際、基本的には予めパーツ毎に作成して絵を組み立てるので、線画での分解は比較的時間をかけずに記事をつくれるんですが、それでもなかなか思うようにできません…

さて、今回は【装着する単位(空想)】で脚防具を分解してみました。
分解1-8
 いかがでしょうか?

中世の甲冑は、何度か記述しているとは思いますが、西洋、東洋ともに「足元から頭」の順番で装着したようです。そういったイメージで、今回、線画で分解したパーツを眺めてみると、まずは足元に【鉄靴】を装着しているものとして…

つぎに【すね防具】を装着したのでしょうか。今回参考にした甲冑の場合、外側になる部分には蝶番が設置されて、内側には鉄靴の場合と同じように、【突起と、それに合う穴】が用意されているだけのようです。お仕着せ(甲冑を装着するのをサポートする人)が、蝶番で大きく開いたすね防具を装着者の脚に、まずはふくらはぎの方からなのか、すねの方からなのか当てて、カチャリと閉じる姿を思い浮かびます。

そして【ひざから大腿の防具】となります。
あるいは、すね防具とひざから大腿部の防具は、装着単位としては【1式】として取り扱われていたのかもしれませんが、今回は別々の単位として考えてみます。
すね防具と、ひざから大腿の防具の接続方法ですが、すね防具にピンが2本突き出ていて、ひざから大腿部の防具の、ひざ部分の下の大きな鈑金に適合する穴が2つあるという解釈です。この穴はカギ穴状になっていて、丸く大きく切りかいた部分でピンに差し込み、しかるべき方向にスライドしたのではないか?と考えてみました。さらに、すね防具の後ろ側にはベルト通しが用意されていて、ひざから大腿防具に設置されたベルトを通して、さらにしっかりと接続されたのだと思います。


…こうして見てみると、パーツごとに、本当にそれぞれの魅力がありますよね!
クネクネ動きそうな鉄靴、ツルツル2枚合わせのすね防具、絵的に最も見せ場となるひざから大腿にかけてのディテールの密度。本当に魅力的です。

特に、ひざ部分の鈑金の重なりが気になるところですが、その部分はまた、次回以降の記事で分解して楽しみたいと思います。


それでは、今回はこのくらいで。
| ゴシック(ゴーティク)式甲冑 | comments(0) | trackbacks(0)
ばら戦争―装甲騎士の時代
みなさまこんにちは。
気がつけば前回の記事は5月…本当にお久しぶりです。今回は、コメントとともにご質問をいただいたので、私がお世話になっている資料を紹介しようと思います。

オスプレイ社 メン・アット・アームズ シリーズの1册です。和訳版の出版が始まって、この本が出た時にはとうとうフルプレートの資料が出た!と小踊りしたものです。ごゴシック式甲冑−3の記事の中で「ある資料のイラストに騎乗した重装甲兵の絵が …中略… つま先部分は灰色っぽい色で塗りつぶしてあるのを発見したんです。」という記述をしていますが、この表紙となっている絵です!

色々な謎を解いてくれて、そして色々な謎を投げかけてくれる。そんな資料です。

内容としては、ばら戦争についての歴史的背景や、その経緯が詳しく記述されている…のだと思います。あいまいな表現となってしまっていますが、そう、私はけしからんことに、ほとんど絵しか見ていなかったのです!すみません…

もう一度きちんと見て、もう少し詳しいレビューをお届けできるようにしたいと思います。


>>> 08/11/28 記事の続きに返信をつくらせていただきました。

>>> 08/11/25 記事の続きに返信をつくらせていただきました。
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ゴシック式(ゴティク式)甲冑-7
2カ月ぶりの記事となります。
前回の記事の終わりに【拍車】を装着して…と記述しておりましたが、今回は脚防具を線画で描いてみました。

いつものように、いろいろな資料の、いろいろなゴシック式甲冑からイメージをいただいて、空想で組み立てています。

分解1-7

ゴシック式甲冑は、鋭角なかたちの板金で複雑に分割されていてディテールがしっかりしているうえ、特徴的な【筋打ち】によってさらにディテールが増し、加えてその【筋打ち】が複雑に光りを反射するために、金属の美しさがひきたつのだと思います。

今回描いた脚防具の太もも部分にも、しっかりと筋打ちが施されています。さらにその上の部分では鋭角な板金が何枚にも分割、接続されて、なんとも魅力的なディテールとなっています。描いていて盛り上がる部分ですよね。


 それに比べて【すね防具】のシンプルなこと。つるつるです。


以前にも記述させていただいたことがありますが、筋打ちを美しく仕上げることに持てる技術を全て注ぎ込んだであろうドイツの甲冑師たちも、【すね防具】については、つるつるに仕上げていたようです。その理由なんですが、すね防具は【その形状の美しさこそが全て】だったのだそうです。【すね防具】はそのほとんどが曲面で構成されているので、製作には極めて高度な技術が必要だったとのことで、流れるように美しい曲面を完成させることこそが職人の誉れだったのだそうです。いつの時代でも、職人って素敵です。


自分も線画を描いていて、自然と、すね・ふくらはぎ・くるぶし部分の曲線については他の部分よりも気を使って作り込んでいました。


派手なディテールに目を奪われがちですが、いろいろな甲冑を観察する際、つるんとしたすね防具の形状を見比べて観察してみるのも楽しそうです。


それでは、今回はこのくらいで。


次回からは、脚防具を線画で分解して楽しもうと思っています。


>>> 08/11/18 記事の続きに返信をつくらせていただきました。

>>> 08/05/27 記事の続きに返信をつくらせていただきました。

>>> 08/07/03 記事の続きに返信をつくらせていただきました。
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| ゴシック(ゴーティク)式甲冑 | comments(3) | trackbacks(0)
ゴシック式(ゴティク式)甲冑-6
今回は、鉄靴を下から眺めたところを空想してみました。

分解1-6
向かって右側の絵が、【ゴシック式甲冑-3】の記事で、線画で空想してみたものです。形を出す作業を終えた状態の【つま先鈑金】に穴をあけて、革と鋲を内側から当てながら、細めの台などを当てて外側から打った…という考え方です。

左側の絵ですが、手持ちの資料に載っている、騎乗した甲冑の展示品を手前から撮影したモノクロ写真の、なんとなく見えているような、そうでないような【つま先の裏側】部分を穴があくほど観察して、拡大してみたらただの点の集まりにしか見えなかったりしながら、或いはこうなっていたら仕上げも美しいのでは…と空想したものです。

やはり鈑金に穴を並べて設置したとして、革部品を外側から当てる方法として空想してみました。革部品の縁を内側に折り込んでいるイメージですが、革を折り込んで固定しただけではなく、例えば、鈑金の穴には麻などで作った厚みのあるリボン状の織物を鋲などで固定し、その織物部分に、革の部品を縫いつけて固定した…という方法も面白そうです。その場合革部品は交換が早かったのかもしれないな、などと空想すると、なんとも楽しいですね。


それでは、今回はこのくらいで。

次回は…ちょっとまだ考えていません。
拍車を装着してみようかな?

| ゴシック(ゴーティク)式甲冑 | comments(0) | trackbacks(0)
ゴシック式(ゴーティク式)甲冑-5
鉄靴を(絵で)分解してみました。
素晴らしい研究者の方々の色々な資料による情報に、私の空想・希望によって解釈を加味したものです。

まずは、むかって右側の鉄靴の絵について。
内部を透かしたようなイメージで描いてみました。こんな感じで革のベルトが設置してあるんだろうなぁーという絵です。革は鋲で固定してあるのだと思いますが、鈑金が重なる部分に鋲が打ってあるため、完成後は鈑金が重なって鋲が見えなくなるという仕掛けですね。この革ベルトには、旋回可動軸で自由に動く鈑金部品が重なり過ぎてしまったり、逆に開きすぎてしまったりすることを防止するために設置されているのかなと思います。
絵に描くことはまず無いと思いますが…

分解1-5

次に、鉄靴の側面に見える鋲について考えてみました。西洋甲冑武器辞典などに掲載されている甲冑の裏側からの写真を観察すると、鋲の甲冑内側には、今で言う金属ワッシャーのような、円盤状の部品が見られます。つまり鋲は、2枚の鈑金を通り、甲冑内側にてさらに円盤状の部品を通った状態で設置されていることが分かります。今回は、大好きなプラモデルの組立図のイメージで、鋲と円盤状の部品の設置イメージを描いてみました。

プラモデルの組立図を知らない方にはちょっと見づらいかもしれませんが、鋲からオレンジの線が伸びて、円盤状部品に向かって矢印になっています。1枚目の鈑金、2枚目の鈑金を通って、円盤状部品に届きます。

さて、ここで空想を楽しみましょう!【鋲】って、どんな部品で、どうやって固定されているんでしょうか…?今回私は、3通りの鋲を空想してみました。

【1】キノコのような頭と軸を持つ1つの部品。
キノコのような頭から伸びる棒状の軸を2枚の鈑金と円盤状の部品を通して、内側で軸の端を打ちつぶして取り付けた。軸を打ちつぶす際には、例えば金属板の縁を軸の太さに合わせてUの字に切り抜いた作業用の金属板を挟み込んで作業して適度な「遊び」を作ることで、鋲を旋回軸として機能させた。

【2】キノコの頭を持つ軸と、釘の頭のように、平坦に潰された頭を持つ軸の2つの部品で1組の部品。
いずれか片方、例えばキノコの頭を持つ軸は全体が筒状か、軸の端だけが筒状になっていて(凹部品)、それを鈑金と円盤状部品に通した状態で、細く短い軸を持つ釘頭部品(凸部品)を、キノコ部品の軸に打ち込むことで固定した。この場合、軸の長さで「遊び」を調整したのかもしれない。
キノコの頭の方が細く短い軸の部品だった場合も。

【3】キノコ頭・軸・釘頭の3つの部品で1組の部品。
軸はマカロニ状の中空部品となっていて、それを鈑金と円盤状部品に通し、甲冑外側からは短い軸を持つキノコ頭部品(凸部品)を、内側から同じく短い軸を持つ釘頭部品(凸部品)をそれぞれ打ち込んで固定した。

いかがでしょうか?こんなことを必死で考えて悩んでいると相変わらず楽しくて仕方がないわけであります。【1】【2】【3】の空想のうち、私が「こうだったらいいな」と思うのは、【1】なんですが、では実際はどのように鋲が打たれていたのかは、分かりません…。でも鋲は甲冑のディテールを引き締めるとても重要な要素だと思います。空想の甲冑を描く際には、あまり設置場所は数にこだわらず、思いっきり鋲を描き込んでみるのも楽しいと思います。


それでは、今回はこのくらいで。

次回は、鉄靴を下から眺めたイメージを描いてみます。


>>> '08/02/21 記事の続きに返信をつくらせていただきました。
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